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ベイビーレボリューション

3月5日の東奥日報紙の夕刊トップ記事が
『赤ちゃん世界救う絵本』のタイトルで、ミュージシャンの浅井健一さんの楽曲の詞に、奈良美智さんの絵を組み合わせた絵本が刊行されたとの記事。
これは見たい、読みたいと購入。
手にして読んで、見て、愛らしいベイビーたちの姿に、笑顔と笑い。
そして「戦争のない世の中に」のメッセージが、ストーレートに届いた。
これは各国元首に読んで欲しいし、学校図書館を含めた図書館に置いて欲しい。
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この本は最初浅井さんのメッセージに共感した編集者が、絵本化を提案し快諾され、30億人の赤ちゃんをまっすぐに表現してくれる画家として奈良さんにたどり着いたという。
赤い帽子とおむつ姿の赤ちゃんは描き下ろし、そのほかは「NO WAR!」のメッセージを含む絵など過去の作品で構成されている。
それが、詞にぴったり合い、メッセージがさらに増幅されて届いてくる。

浅井さんの詞が、全てひらがなになり、英語の部分はカタカナ。
肌の色の違うベイビー達のお尻もこもこの姿、表情で、より強くストレートに心に届き、ひらがなの持つ力も感じた。

手にして笑顔、読んで頷き、音読して力が出る絵本。
最後のページのひとりのベイビーがおしゃぶりくわえている表情に、胸キュンとしている。

数ページの写真を載せたのですが、著作権に違反するのでしょうか?
もしそうだったら、削除しますのでお知らせ下さい。




13:30追記
やはり著作権侵害になるようなので、先に掲載した写真は削除しました。
書店で手にしてご覧になって頂ければ幸いです。

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by koro49 | 2019-03-28 12:05 |

常設展示室

寒さに慣れてくると、最高気温がマイナス1度でも、暖かくかんずる。
北海道の陸別町の人が、日中気温がマイナス4~5度だと「今日は暖かい」と笑顔なのが分かる。
風もなく、ただ今小雪が舞っている。

所用で出掛ける以外は閉じ籠り、通常家事を終え、いつもと違う仕事をした後の残り時間は、テレビの音が無ければ読書がいい。
先日借りた原田マハさんの『常設展示室』、昨夜家人の就寝後読了。
小説新潮に掲載された6篇の短編集。
そのどれもが女性が主人公であり、大切な絵が一つ登場する。
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短編の一番目、弱視の女の子が、開いた絵本のページのピカソの絵を、端から端まで(スキャナで取り込むようにと表現している)顔をくっつけて見ている様子に、その絵のどこが好きか訊く場面がある。
「大きな色」
と女の子はひと言。
確かにそうと主人公は共感し、その表現が原田さんらしく好き。

ピカソ、フェルメール、ラファエロ、ゴッホ、マティス、東山魁夷の6人の画家の一作品にスポットが当たり、それが主人公と登場人物に関わり励ましている。
○○展と銘打った、画家やテーマに添った企画展は、確かに見応えがある。
ただ最近は激混みに疲れる時もあり、そんな時は常設展示室(それだけだとチケット代も安いし、人も数人程度)でゆっくり好きな絵と対峙する時間も良し。
いつかの課題にする。

6編のうち、2編が介護にまつわる話がベースになっていたのも時世を感じさせた。
どの短編も良かったけど、一つを選ぶとしたら『デルフトの眺望』(行ってみたい土地)、その次は『道』
『豪奢』の主人公が立ち上がって生きて行く様子が見れたもの良し。
結局全部絵を浮かべながら読める本。
原田さんの本には世界中の美術館も出て来るので、行ったことがなくても、その地や美術館に思いを馳せることが出来るのも楽しい。


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すずめ
by koro49 | 2019-02-11 14:58 |

たゆたえども沈まず

19世紀後半のパリを舞台に、ゴッホ兄弟と、二人の日本人画商(一人はフィクション)が軸に、ジャポニズムに沸くパリの当時の様子と、ゴッホの絵が確立されるまでの困難と、ゴッホの足跡を辿っている。
生活全般を含めてそれを支えた弟テオドール(テオ)との軋轢。
兄の画才を認めつつ、支えることが困難になって来た時、思わず言ってしまった言葉、ゴッホも弟の負担になっていることに気付きつつ、自分に出来る事は絵を描くことと、絵筆を持ち、ついにゴッホ自身の絵を完成させる。
原田さんの史実とフィクションを交えた作品、素人にはどこまでが史実?と見極める力が無くても、ゴッホの作品、画商の林忠正が見せた浮世絵と、それが与えた影響は事実と思う。

原田さんの作品で心打たれる、無垢の心を持った人の飾らない言葉での作品の感想には、テオの妻ヨーの言葉として今回も出会えた。

「フィンセントの描く絵は、どれもこれも、なんて言ったらいいのかしら、全部・・・生(ブリユツト)な感じがするんです」

『たゆたえども沈まず』とは、本の前半で「パリのこと」として日本人画商間の会話がある。
「・・・パリの?」
「そう。・・・・たゆたえども、パリは沈まず」
何度も氾濫を繰り返したセーヌ川、それでも人々は幾度も立ち上がり街を再建して来た・・・どんな時であれ、何度でも。

そして後半、ゴッホが耳を切り落とした時、駆けつけたテオに言ったうわ言。
Fluctuat nec mergitur(フルクトウアト ネク メルギトウル)・・・たゆたえども沈まず
パリは、たゆたえども沈まず。
テオは、兄ゴッホが描きたかったものが、パリの化身・・・セーヌだったことを知る。
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何度か観れたゴッホの作品展で買ったカード。
一番上は、アルルでゴーギャンとの共同生活をしていた時の部屋を描いた『アルルの寝室』『ヒバリの飛び立つ麦畑』は好きな絵だった。
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『草むらの中の幹』にも惹かれる。ゴッホが愛した糸杉の絵も。
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テオの息子が生まれた時プレゼントしたという、青空をバックにした『花咲くアーモンドの木の枝』と、『タンギー爺さん』には、機会があったら会いたい。

本の中で遺作となっている『木の根』は、幹も何も描かずに、木の根っこだけ描いた物だという。
サンレミ時代の『草むらの中の幹』の続編なのかも?と素人の思い。
その絵のカンヴァスの木枠に挟んであったとテオが渡された手紙には

素直に言おう。僕らは、ただ、絵を通すことによってのみ、何かを語ることができると。
そうだとしても、テオ、僕がいつも君に語り続けてきたことを、いま、もう一度言おう。
君は画商なんかじゃない。僕を通して、君もまた、絵の一部を描いているんだよ。
だからこそ、どんなに苦しいときでも、僕の絵はしっかり定まっているんだ。


多くの書簡のやり取りをした兄弟、今までの絵とは違う新たな絵画の世界を確立した兄と、そこに至るまで支え続けた弟。
送られてくる絵を観て歓び、尊敬の念を抱きつつ、時には重荷と思う哀しさと人間の業、兄弟故の悲しい憎悪。
兄の後を追うように翌年亡くなっている。

『たゆたえども沈まず』
流されても、彷徨っても、抗わず身を任せて行く・・・いい言葉。
返本前に、再読したい。
by koro49 | 2019-02-06 11:56 |

ゆき

昨日あちこち所用を済ませた後、図書館に。
児童書コーナーに直行し、二冊借りた本の一冊は『ゆき』
ポーランド、ワルシャワ生まれで、第二次世界大戦時にワルシャワを離れ、パリ、イスラエルに移った後、渡米。
現在ニューヨーク在住の、ユリ・シュルヴィッツ作。

 そらは はいいろ
 やねも はいいろ
 まちじゅう どんより はいいろです

から始まり、雪がひとひら降りはじめ、その後ひとひらひとひらと増えていき、周りの景色は雪化粧を始め、最後は灰色だった景色が真っ白になり「わ~い、雪だよ!」と、喜ぶ男の子とワンコの後ろ姿で終わっている。
雪国に住む者として共感し、ポーランドの風景を込めたかな?と思った絵に朝食後 (私が食べてる時新聞を読む人。テレビをブチッと消すからその静かな時間は良い) 三度読みほっこり。
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一人でいる時は、音楽を聴くことが多かったのが、最近は何も聴かずにいることが多くなっている。
そうすると外の音に敏感になり、ちょっとした移ろいを感ずるのが好きになった。
それでも久々取り出した『マリア・カラス永遠のディーヴァ』は、音量を下げて聴いている。
楽しい事の積み重ねと共に、心地よく過ごすことも大事だと思うこの頃。
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今はひとひらの雪も舞っていない。
忘れた物を買いに、テクテクショッピング。
by koro49 | 2019-01-16 09:52 |

モダン

昨日は三か月に一度の整形外科受診の日。
お正月明けの三連休前で、178番目。
結局診察(薬投与だから1分足らず)は2時少し前だった。
会計を済ませ、薬局にファックスして、前日融けた雪が、所々アイスリンク状態になった道を、フェンスに掴まりながら帰宅。
3分待つランチを済ませ、一息タイムを取ったら三時だった。

待ち時間は想定内で、年前に借りた本を持参し、長い時間を気にする事なく読めた。
原田マハさんの『モダン』
いつものようにニューヨーク近代美術館で働く人たちと、その作品をモチーフに、展示する側、観る側、作品周辺のあれこれが、五つの短編集として書かれている。
フィクションとして描かれていても、多分原田さんの実体験と、身近に起こったことがベースなんだろう。
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原田さんの作品で心打たれるのは、無垢の心を持った人が、飾らない言葉で作品の感想を述べている部分。

最初の作品、『中断された展覧会の記憶』の中で、東北大震災で福島で展示されていた、アンドリュー・ワイエスの『クリスティーナの世界』に対する少女の感想。

ーねえ、お母さん。クリスティーナにね、いっぱいいっぱい話したよ。
がんばってね。がんばってね。負けないでね。真由もがんばるからね、って。


ところが、その展示は震災による作品へのダメージを避けるため、所蔵するニューヨーク近代美術館が作品の撤退を決め、展示は中止になる。
それを聞いた少女は

ークリスティーナは自分で福島に来てくれたんだよね。それで、自分でおうちに帰るんだよね。よかったね。

美術作品を鑑賞するには、知識も何も必要はない。
対峙したその作品が、観る側に力を与え、心を豊かにし、心に弾力性を与えられたら、私にとっての名作。
混雑した待合室で、このシーンもそうだけど、何度かジンワリしてた。

ワイエスの『クリスティーナの世界』は、こんな絵。

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黒砂糖で
by koro49 | 2019-01-12 10:47 |

にしん蕎麦

ずっと食べたかったにしん蕎麦。
ソフトタイプの身欠きにしんを山椒の実も入れてコトコト甘辛に。
出汁はカツオと昆布。
多分本場の味もこんなかな?と、昨日の昼。
美味しかった。
味付けした身欠きにしんは後二回分冷凍したので又食べれる。
(写真、早く食べたくてこれしか撮らず、バエナイ写真・・・orz)
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今日の最高気温は零度の予報で、明日は-1度。
真冬日の気温が続く。
そんな日に、キンキンと冷たい煮リンゴが食べたくて、今ガス台でコトコト。
外で冷やしてから食べる。

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ブルーデージー
by koro49 | 2018-12-08 11:29 |

はじめてであう絵画の本

先日図書館の児童書コーナーで見つけた『はじめてであう絵画の本』。
時間が無くて展示されていた『ルノアール』を借りて来た。
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これが 小学生から大人まで楽しめる美術入門シリーズ としてある通り、すごく面白い。
掲載されている絵の鑑賞の仕方、ポイント、美術史をも取り込んでいて、分かりやすい。
美術展の混んだ展示での鑑賞に疲れを覚えるこの頃、家の中で食卓に腰を下ろしてホッと一息タイムに良し。
昨日はフィギュアスケートの視聴の合間に読んで見た。
字が大きいのも嬉しい。
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最後のページに、このデッサン。
タイトルは書いてなかったけど、確か子どもが針を持つ絵だったと思う。
どっかで見て、好きでカードを買ってちびっ子に送った。
ルノアールの子どもを描いたと思う作品、真剣に針を持つ姿が、優しい色と光と共に、父親の愛情がプラスされ、全体的にオレンジ色でまとまっていたと思う。
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他のシリーズも探して借りて、冬の閉じこもりの楽しみとする。

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by koro49 | 2018-11-11 10:37 |

左折を止めた日

昨日の晴天に誘われ、歯科の後、最後の紅葉に会いに行くつもりで出掛けた。
終えて駐車場から左折したら紅葉コースでも、少しの眠気と体の重さを感じて中止。
パンを買って図書館に寄った。

画集を手にしようと思いながら、手にすることなく児童図書コーナーに。
借りた本二冊。
宮沢賢治の『注文の多い料理店』と、落語の『芝浜』を児童向けにした本。
『しばはま』の方は、落語家の声がそのまま耳に届くようだし、版画が『芝浜』をよく表現していると思った。
『注文の多い料理店』の絵は、秋色でほっこり。
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昨日は『しばはま』を読み、朝食後『注文の多い料理店』を読んだ。
午後の一休さんタイムに、繰り返し見て読む予定。

肌寒むでホッカイロとユニクロダウン着用。
雨マークが消えた予報が数日続いているので、着込んで外を片付ける予定。 (あくまでも予定であり、体の声を聞きながらのアリさんの働き)
by koro49 | 2018-11-02 10:50 |

送り火

第159回芥川賞受賞作品高橋弘希さんの『送り火』。

中学三年の春、父の転勤で津軽地方の翌春には閉校になる中学校に転校した主人公。
同学年の男子は自分も入れて6人、映画『スタンド・バイ・ミー』の世界のようには行かず、過日送られて来た小学4年のツインズのあどけない寝顔を脳裏に、読み進めた。
エスカレートして行く危険な遊び、いじめ、いじめの首謀者が実は1年の時いじめられていたという事実。
いじめの標的だった少年の憎しみの矛先は・・・・・というストーリー。
後半のアッという展開と描写。
午前中歯科で、そのまま図書館に寄って読んで良かった。
夜だと心に重くのしかかったかも。
ただ、それ以上に、特に景色、自然の描写は、フィルターを通して撮った写真のように優しく描かれている。
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4月に降る雪を
『風が咲いた』と表現し、夜の田んぼを『畦道の闇が囲い線になり、長方形の夜が何枚も並んでいる』と表現する。
黄昏時の畦道に吹く風に『雀色の風』と名付け、辞書で『雀色時』という単語を見付け、それが夕暮れ時を指すことを知った主人公は、又違う日の畦道で農夫に出会う。
「塚やら辻やら橋やらに漂ってら言葉さ、耳傾けたらまいね。そったら言葉は人さ作用すはんで。」
と言われ
「それは言葉のお化けのようなものですか?」と応えた主人公。

一つ一つは短い文であり、読みやすさを感じた。
高橋さんは、これから先どんな『言葉のお化け』を紡ぎだすのだろうか。

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チョコケーキ
by koro49 | 2018-10-24 15:30 |

リーチ先生

出掛けたりで読み切れずに、再度借りて読んだ本。
世界的陶芸家で、明治後期から日英の芸術の架け橋となったバーナード・リーチの実話と、二人の日本人を介したフィクションをまじえた物語。
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高村光太郎、柳宗悦、志賀直哉、武者小路実篤、岸田劉生との交流は史実を元に描かれていると思う。
リーチが初来日した22歳から一緒に過ごし、帰国時には一緒に渡英した父親、時を経て小鹿田焼きを学ぶため再度日本にやって来たリーチの世話係となったのは、その息子。
この架空の人物二人が、物語を広げて行く。
エピローグ、小鹿田焼きで出会った世話係の高市が、陶芸家として成功してリーチを訪ねて渡英する場面、老いたリーチの背中、かつて父が愛した女性は80歳を越え、リーチや仲間と工房で陶芸の道を歩んでいた事を知り、ジーン。
著者の、名もなき人、名もなき工芸品への愛も詰まっていた。

無名、名工、関係なく「良いものは良い」と言える審美眼を持ちたい。
そして、器は使ってこそと改めて思った。

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今朝の山
by koro49 | 2018-10-19 09:58 |