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食のクオリア

昨年からウロチョロする以外は、家に閉じこもりのような感じで、まずいな…と思っていました。ちょっと改善しないことには。
昨日は暖かく気持ちが良かったので、以前から通いたいと思っていた図書館に行ってきました。我が家からだと歩いて30分。
ポカポカ気持ちよかったのですが、汗をかいてしまいました。

読んだ本は、脳科学者の茂木健一郎著「食のクオリア」
あちこちで、何冊も並行して本を読んでる人がいることを知ってちょっと安心したのですが、私も中途半端に読んでる本があちこちに^^;
でも、これは早く読んでしまいたくて、昨日図書館に持ち込みました。
食のクオリア_c0024861_16483453.jpg
クオリアって、意識のなかで立ち上がる、数量化できない微妙な質感だそうです。う~ん、分ったような分らないような。
何しろ私は「クオリア」を読んでクリオネを連想してしまったのですから。
NHK[プロフェッショナル 仕事の流儀」のキャスターでもある茂木さん。
毎回観るわけではないのですが、ゲストのお話に対する茂木さんの表情を興味深く見ることがあります。
「この人は、脳科学者の視点で、このゲストをこんな風に捉えているのかな?」何て。

さて、この本、最初の方は知らないカタカナ語が出てきたりしてちょっと進まなかったのですが、興味深かったです。
人間が食べたものは食歴として脳にインプットされていると言うのは、誰かがテレビで話したことで、以前も書いたことがあったのですが、脳科学者の立場からそれを実証しているような本です。
チョコを食べるという体験では、甘さ、ほろ苦さ、舌触りだけでなく、飲み込んだあとのなんともいえない満足感を与えるのが、βエンドルフィンをはじめとする脳内物質だというのです。「うれしいもの」を摂ると脳内報酬物質のドーパミンが放出されるのだそうです。
自分でもチョコや黒砂糖を口に放り込む時があって、食べた後、しゃんとするような気がしていたのですが、それは下がった血糖値が正常になったからと思っていたのです。
でも、ここを読んで、あっ、そっか~!ドーパミンが放出されてスカッとするのかもと思ったりもしました。
 
あとがきに

脳は基本的に快楽主義者であって、歓びを感じることでその回路がつなぎ変わっていく。食べることの歓びが、人間の脳にとっての最大の報酬の一つであるということは、生物である以上当然のことである。自分が食べてきたものが、物質的に栄養素となって身体を支えるのはもちろん、自分の脳の成り立ちをも変えてきたということを実感している。
食べものは、人間という存在の根源的割り切れなさとつながっている。現代人は自分を情報のかたまりだと思いこみがちだが、実際には、身体を貫く消化器という「チューブ」へと導く「口」に様々なものを放り込まなければ、生きてはいけない。味覚は、自らの身体という有機体にやがては同化していく物質の本性を感知するためのセンサーであり、その意味で、「自分」という存在のあやうさの感覚と直接的に結びついている。


と、書いてあります。
母が元気だった時、並んで立ったキッチンで「人はこの小さな口のために生きている」と、ポツンとつぶやいたことがあったのですが、その時のことを思い出しました。
後半、おいしさの恵みとして、飽食、スローフード、塩、縄文食から宇宙食などなど興味深く書かれています。




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これは、読書コーナーからの眺め。
左の写真には釜臥山がぼんやり写っています。
右は裾野の方です。
食のクオリア_c0024861_185793.jpg食のクオリア_c0024861_1853083.jpg








時々は歩いて通おうと思います。
by koro49 | 2007-02-07 18:55 | | Comments(11)
Commented at 2007-02-07 19:34 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2007-02-07 19:44 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by harunoyokihi06 at 2007-02-07 21:50
こんばんは。
茂木さんの本『脳と仮想』買ってまだ読んでいません。
BS2の週間ブックレビューをみて面白そうと思って買った本です。
>人間が食べたものは食歴として脳にインプットされている
今日、病院で母と長い時間一緒にいてまさしくこんな経験をしました。
昨日からお昼だけ食事が出ているのですが、倒れたその日にもICUでうわごとのように食べ物の話をしていました。
冷たくしたりんごのすりおろしから始まって、今日はかぼちゃの煮たのが食べたいそうです、小さく切って、グリンピースの入ったしょう油あんがかかったかぼちゃが食べたいんだそうです。
不思議なことばかりの脳の世界です。
Commented by naolicu at 2007-02-07 23:47
「人はこの小さな口のために生きている」 
いい言葉ですね。
感動しました、今日はこれ以上書けません。
Commented by cheris_1et3 at 2007-02-08 02:41
こんにちは。
読んでみたいです。 この本。 送ってもらう、おねだりリストに入れておこう。
>脳は基本的に快楽主義者
そうだったのですね。 
そういえば、”楽しい”、”嬉しい”、”好き”と感じる事の方が学習能率も良いと 聞きましたが、これと繋げるとわかり易いです。
良い思い出が、美味しいものと関連しているのが多いのも、脳が喜びを感じたからなんですね。
Commented by koro49 at 2007-02-08 17:16
>鍵さん
はじめまして!ようこそいらっしゃいました♪
そうだったのですか~。
私も児童書と実用書の辺りをちょっと見ましたよ。
あっ、一日違いでしたね。
「大草原の小さな家」はテレビは時々観たけど、本は読んでないのです。いつか読みたいです。
そうそう、今年はスキー教室、中止のところが多いみたいですね。
今日も午前はちょっと吹雪いたけど、積もりませんでしたね。
どうしたんでしょう。
又、いつでもお話に来て下さいね♪
Commented by koro49 at 2007-02-08 17:19
>momoちゃん
>BS2の週間ブックレビュー
あっ、その番組観たことないのです。今度見てみるね。
小さい時食べたものもそうだけど、もしかしたら自分が食べなくても遠い祖先が食べたものもDNAの中に取り込まれているのではと思ってしまったよ。
お母さん、未だお昼しか食事が摂れないんだね。
食べれるようになったら、好きなもの沢山食べさせたいね!
momoちゃん、頑張れ~♪
Commented by koro49 at 2007-02-08 17:21
>naoさん
母のこの言葉、母本人の言葉なのか、誰かの言葉だったのか、今としては確かめようがないのです。
当時の母には困難なことがあって、そんな事を言わせたのかな?と考えることもあります。
真実の言葉だと思っています。そのときの母の横顔もちゃんと覚えています。
naoさんも頑張れ~♪
Commented by koro49 at 2007-02-08 17:25
>cherisさん
あっ、おねだりリストいいね♪
他はどんなのが入ってるんだろう?^^
>”楽しい”、”嬉しい”、”好き”と感じる事の方が学習能率も良い
あっ、そうかも知れませんね。
何でもそう思えるようであったらいいね♪
脳の引き出しは無限なんでしょうね。
一生懸命使いましょう^^
Commented by nasuka99 at 2007-02-10 14:58
クオリアの概念は、ちょいと難しいですよね。
わかったようなわからないような・・・???
クリオネの方が分かりやすい(爆)
甘いものは、麻薬ですよ(笑)
Commented by koro49 at 2007-02-10 19:57
>nasukaさんが難しいと言うなら、私が理解できなくてもいいよね^^
ね、クリオネは一度見たら忘れない。めんこい♪
甘いものはモルヒネ(爆)
でもそれでドーパミンをドパーッと放出しながら、日々頑張ってるんだよね♪ほら、ご褒美ご褒美。
又は…馬の人参みたいなもの^。^
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