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鼓動

秋晴れの気持ちいいお天気です。
さっき、朝刊を読んでいた家人が、いい詩が載ってるから、切り取っておいてと出かけました。

地元紙に載っていたその詩に、私も感動してしまったので、少しでも早く皆さんにも読んで欲しく、掃除の前に書いています。

今年6月脳梗塞で急逝した、青森高校1年だった渋谷早紀さんという方の詩です。
渋谷さんは中学時代はソフトボール部の中心選手として活躍され、健康そのもので快活な少女だったそうです。
6月23日、早紀さんは体育の準備体操をしている最中に突然倒れ、ご家族や周囲の願いもむなしく29日に亡くなられたのだそうです。
早紀さんの生前の姿を知った野球部員らは、夏の県大会で発奮。
準決勝まで進む事ができ、勝ち進むたびに教頭先生はウィニングボールとホームランボールを仏前に届けたそうです。  

そして、同校の野球場のダックアウトに、この詩を掲げた銘板が掲げられました。
「若者が簡単に命を落としていく昨今。早紀さんの気持ちと、16年間生きた証を残しておきたかった」と、同校の教頭先生の話が載っていました。

**************************************************

           鼓  動    
                     渋谷早紀

     この音が聞えるか
     時には轟々と唸りを上げ
     時に静寂の中微かに心に沁み込む
     この音が聞えるか
     それはお前の命の音さ
     脈々と流るる血液が 心の臓が
     生涯奏で続ける生の音さ

     地球に生命が何千億とあれど
     誰一人お前と同じ人がいないように
     お前の音もひとつだけ
     だから 大事に
     どうか 大事に

     この音を聞くがいい
     お前の命の音を聞くがいい
     なんと荘厳で美しい音色よ・・・


**************************************************

豪速球、ストレートに胸に迫る詩ですよね。
     
    だから 大事に
    どうか 大事に

音読したのですが、この部分は、早紀さんの天国からの叫びのような気がして、声を出して読むことが出来ませんでした。
この詩を書いたのは、中学2年の時だったそうです。
早紀さんがお元気だったら、早紀さんには輝く未来があったと思います。
でも、今は天国の早紀さん。
この詩を皆に残してくれて、皆を励ましてくれて、そしてダックアウトから皆を見守っているのですね。

     だから 大事に
     どうか 大事に

そうだね、早紀さん。
心音は、だれひとりとして同じ心音ではないよね。
人の数だけ、違う心音を奏でて生きているんだよね。
バックグラウンドに流れるメロディーもみんな違うけど、それぞれの人生を生きているんだよね。

そして、ありがとう、早紀さん。
おばさんも、与えられた命の限り、全てを享けいれて生きて行きます。
                                                   
10:20追記  早紀さん、掃除の途中で戻ってきちゃった。
この頃おばさんがよく聴く曲、Hallelujah今日は、この曲の繰り返し^^
気持ちいい青空、天国の早紀さんにも聞えるかな?聞えて欲しいな♪
      
by koro49 | 2006-10-14 09:10 | 思うこと | Comments(26)
Commented by inariwan3 at 2006-10-14 09:26
自らの命を絶つ小学生・中学生のニュースが多い昨今。
こんなにも素直に命の大切さを伝える詩が、彼ら彼女らに届いていたなら、ひょっとして自殺などしなかったかも。
テーマが重いので、なんともコメントは難しいけど、この殺伐とした風潮であるがゆえにも、命の尊さはなんとか今の若者に伝えたいものですね。
Commented by kabo518 at 2006-10-14 09:51
中学2年でこういう言葉を使って詩が書けるという事にも驚く。
言葉からいろんな事がわかるね。ありがと。
Commented by indigo_s16 at 2006-10-14 11:38
ストレートな言葉だけど、深いです。
こういう言葉はなかなか使えないです。
胸にズンと来る感じがします。
Commented by reev at 2006-10-14 19:45
こんばんわ♪

この詩の素晴らしさとともに、教頭先生の人間としての偉大さが胸にしみます。どこかの教育委員会のは天と地の差があります。
Commented by kathy at 2006-10-14 20:16 x
中学2年生の頃を思い出していました。
柔道部、合唱部で部活の日々。
成績は中の少し上。
でも、あの頃は早紀さんのような力強い、しかしガラス細工のような繊細は感性の詩はとても書けなかったでしょう。
十羽ひとからげになると、スペインの沿岸警備隊がやったように「生きた人間を海に投げ込む」ことを平気にやる人間だけど、投げ込んだ警備隊の兵士も投げ込まれた難民も、ひとりひとりの心の臓の音はそれぞれ別なんですよね。人間は集団とひとりではこうも意識や考え方が異なるのでしょう。
ヒトラーの「ひとりは全体のために、全体はひとりのために」は、なるほどと思わせながら、とても危険な匂いを持つセリフです。
Commented by peau0320 at 2006-10-14 20:53
せっかくkoroさんが朝早くにアップして下さったのに
今のこの時間になって読みました。
若い人に、いえ、もっと小さい小中学生の目に心に
是非とも届けて欲しい詩だと痛切に思います。
今日も悲しいニュースがありましたね。
Commented by koro49 at 2006-10-14 22:40
>inariwanさん
命は尊いものだけど、若い時ってその尊さに気付かないのかな?
今、自死を選ぶ若い人や、若い人よりもっと若い小学生。
その人たちも命の尊さは考えたと思うんだけど、それ以外の何かもあったと思うんだよね。
考えてみたら、遠いとおい昔の私も、死について考えた気がする。
でも、それは、青春よりもっと青い頃の、太宰を読んだ頃の一時的な病みたいなものと、今では思ってる。
太宰の小説、忘れてしまってるし、今は読む気になれない。
あんなに読んだのにね。

今の若い人たちが選ぶ死は、私の考えた死とは明らかに違ってると思う。辛いよね。
Commented by koro49 at 2006-10-14 22:42
>kaboちゃん
そうなんだよね。
中学2年でこんな言葉をちりばめた詩を書けるというのは、かなり本を読んだ人で、その時すでに人生について考えていたんでしょうね。
Commented by koro49 at 2006-10-14 22:48
>indigoさん
そう、記事にも書いたけど、剛速球、ストレートに胸にズシンだよね。
ほんと、何度読んでも だから大事に どうか大事に
は胸がつまる。早紀さんが、ご自分の運命を知っていたかのよう。。。
Commented by koro49 at 2006-10-14 22:52
>reevおやじさま
多分ね、教頭先生ばかりでなく、周りの生徒や他の先生達、つまり在学していた高校全て、そして卒業した中学校、周りの人たちの思いもひとつになった結果だと思うのです。
それだけ早紀さんは素晴らしい人で、みんなに愛されていたのでしょうね。きっと、忘れられる事はないでしょうね。
Commented by harunoyokihi06 at 2006-10-14 23:01
koroちゃん 御無沙汰しておりました。
いい詩を紹介してくれてありがとう!
中2でこんな詩を編み出せる早紀さんはすごいね。
母のことで生と死を考えさせられただけに鼓動の音が響いてくるようなこの詩は本当にかけがえのない人の命の大切さが伝わってきますね。
Commented by koro49 at 2006-10-14 23:02
>kathy巨匠^^
kathyさんの書き出しを読んで、私も中学二年の頃を考えました。
ラジオに耳をくっつけて、音楽を聞いて、成績はそこそこ。
そうそう、kathyさんの言うとおり。
早紀さんの詩は、力強くてガラス細工のように繊細。
そんな詩、私ももちろん書けませんでした。キッパリ!^^;
そして、今もね。
>人間は集団とひとりではこうも意識や考え方が異なるのでしょう
ですよね。これは、私も気をつけないといけない事だと思っています。集団になると、知らず知らずに判断がずれたり、歪んだりしている時がありますよね。
それは、突き詰めると自分自身の心棒をキチンと確立していないからだと思うのです。でも、それが難しいです。
自分なりの価値観もキチンと確立できてないのです。
それは、死ぬまでそうなのかな?と思うときもあるし、それでいいのかも、って思うときもあるのですが、巨匠は、どうお考えでしょう?^^
Commented by koro49 at 2006-10-14 23:05
>peauさん
>若い人に、いえ、もっと小さい小中学生の目に心に
inariwanさんにも書いたけど、そうなんだよね。
この詩を読んでくれる児童、生徒がひとりでも増えたらいいね♪

ごめん、今日はニュース見てなかった。
後でチェックしてみるね^^;
Commented by koro49 at 2006-10-14 23:07
>momoちゃん
お疲れ様♪
indigoさんへのレスにも書いたんだけど、ご自分の運命を知っていたかのような詩だなって。
少しでも多くの人に読んで欲しいよね。
人の数だけの心音があるんだよね。
Commented by sarasa-reisia at 2006-10-14 23:42
ちょっと忙しくて、なかなかコンピュータの前でゆっくり出来ませんでした。
久しぶりにニコちゃんに会いに来たら、このズシンと胸に迫る詩が。。。
中学2年でこの詩を書いた早紀さん
何か思うところがあったのでしょうか。
人の命には限りがある。
だから、今日を精一杯。
そうね、早紀さん。。。
Commented at 2006-10-14 23:54
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by flamme-rouge at 2006-10-15 00:10
むむ~。
オラ、言葉がないっすよ。

娘たちが本日、新幹線でほんの小さな旅をしたっす。
心配で、心配で。
どうにか無事に到着したそうだす。
Commented by vanillaleaf at 2006-10-15 04:50
一つだけの命、永遠のテーマですね。
悲しい出来事がある度、考えさせられます。
そうではなく、いつもイメージきていたら、常に人に優しく、なれるんでしょうね。
目の前の事で精一杯の私は、まだまだ精進足らずです。
Commented by nasuka99 at 2006-10-15 09:53
子供子供と思ってても、子供って意外と物事をわかってるし、
理解する力も、洞察力もありますよね。
大人がその力を認めてやってないというか。
こと命については、子供の方が真剣に考えていたりします。
大人になってしまった子供たちは、
こういう感覚失ってしまうんですかねぇ・・・
Commented by koro49 at 2006-10-15 15:02
>更紗さん
そうなんだよね。
中学2年で、こんな詩を書ける人は少ないと思うんだけど、この時すでに早紀さんは人生や命について、真摯に向き合っていたのでしょう。とても残念です。
写真も載っていたのですが、可愛らしい方です。
せめて、命ある私達は、けっして命を粗末にしてはいけないですよね。でないと、早紀さんに申し訳ない。^^;
ね、今日一日を精一杯。
Commented by koro49 at 2006-10-15 15:05
>鍵さん
そうだったのですか。
>日常に捉えている「死」とはまた違う気
そうですね。私もそう思います。
でも辛いですね。
心の中は無限に広くて深いと思うのです。
Commented by koro49 at 2006-10-15 15:07
>rougeさん
だから命ある私達は、命ある限り歩まないといけないのですよね。

えっ?二人で?
小さな冒険だったのかな?
親としては心配だけど、そうやって少しずつ大人に近づいていくんですよね。見守って行きましょう♪
Commented by koro49 at 2006-10-15 15:13
>テッチャン
命を自分で絶つということ、その人の事、ニュースで知るたび考えます。向こうとこちらで、真ん中に線が引いてあって、ほんのちょっとした弾みなのか、ううん、もちろんその人はその手段を選ぶまでには葛藤があるんですよね。
でも生きていたら、色んな事も経験できたかも知れない。
早紀さんのように、もっともっと生きたかったであろう人もいるし。
命は大切にしたいし、して欲しいですよね。
Commented by koro49 at 2006-10-15 15:17
>nasukaさん
今の子供たちが考える死は、私が青春時代よりもっと青かった頃考えた死とは違うと思うのです。
いやな言葉だけど、いじめとか、友人関係とか。
それは当らず触らずにしてはいけないことですよね。
でも、難しい。本人が悟られないようにしてるかも知れないし、周りも気付かないことも。
でも、どんな命でも大切にしたいよね。
Commented by simple-mayu at 2006-10-15 22:25
koroさん、こんばんは*^^
素敵な詩を届けてくれてありがとう。
短くても精一杯生きた鼓動が伝わります。

なんだか涙がでる。。
Commented by koro49 at 2006-10-16 13:53
>mayuさん
今日のまさかり半島は秋晴れで、暖かいです。
早紀さんにも、この青空見せてあげたい。
見てくれてると思いたいです。
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