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本二冊

2週間は早くて、先日借りた本、読まないうちに本日が期限。
慌てて読み始めた昨日。
「婦人画報」に連載された「高峰秀子との仕事」(全22回)のうち、前半部分を収録したものが前回読んだ本で、これは後半部分を収めたもの。
本日も病院の待ち時間に読了。

印象に残った部分。
「成瀬巳喜男監督を語る」として、斉藤さんのインタビュー記事中に『忍ばずの女』から引用された、高峰さんの役作りについての記述の一部。

 画面の中で演技をするのはほんの氷山の一角程度でも、花子の心中には寄せ集めたディテールの山がどっしりと居座っていなければならない。
 日本の庭園には、必ず何個かの岩石があしらわれている。地面に出ている石の表面はほんのわずかでも、土の下にはその何層倍もの量が埋めこまれている。だからこそ庭全体に安定感があり、重厚さがただよう。手ぬきをして石を浅く埋めた庭は、一見して薄っぺらでお粗末な感じを受ける。演技も同様、不思議なものである。

  
     「バスガールの花子」の役作りに関しての話しとして。

これは演技に限ったことではなく、ひとりの人間のあり方をも言っているような気がした。
その人の見える部分はほんの一部、見えない部分にこそ、その人の真実がある事を教えている。
本二冊_c0024861_1737097.jpg
左の本は、前回読んだ「つづりかた巴里」にも収録されている、「巴里ひとりある記」の昨年末発刊の新装版。
新字、新かなづかいになって読みやすく、娘の本棚から借り、帰りの新幹線の中で読んだ本。

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高峰さんの絵は素敵。
「巴里ひとりある記」から
本二冊_c0024861_17382291.jpg本二冊_c0024861_17383987.jpg

こんな挿絵。






本を読もうにも、字のうわつらだけ通り過ぎ、頭の中には何も残らず、まったく読めなかった2ヶ月。
この本をきっかけに、又何とか読めそう。
今日も残暑が厳しく、しかも湿度が高くジトッとした感じ。
by koro49 | 2012-09-12 21:21 | | Comments(6)
Commented by akane at 2012-09-13 09:34 x
私も好きな女優さんです。有吉佐和子の作品の映画化には
なくてはならない女優ですね、映画はよく観ました。
でも彼女の著書も魅力ですね、本当に素敵な女優さんでした。
午後から娘夫婦が来ます。明日からは戦争です。家の中は
娘たちの段ボールで大変なことになっています。   笑
Commented by koro49 at 2012-09-13 17:20
>akaneさん
akaneさんは映画も観てたのですね。
私はほとんど観てないけど、今回昔の作品を観たいと思った。
高峰さんの文は、まさに体を現していると思う。
生き方そのもののような文章だって。
清々しく朽ちて行った、そんな人生だなって。
明日からは賑やかになりますね♪
色々頑張って^^。
Commented by あら~古稀 at 2012-09-14 01:50 x
koroさん
嬉しいです、纏めて拝見させて頂きました。
高峰秀子さん☆素晴らしい生き方の女優さんですね。私もこの連載が読みたくて毎月「家庭画報」購読していましたが、終わりと同時に...時々になりました。
東京国立博物館で、高峰さんが寄贈した「梅原龍三郎の高峰秀子」を観てその潔よさに感動を覚えました。
昔「カルメン故郷に帰る」総天然色を見た時の!と梅原龍三郎の「秀子」通い合うものを感じました。
文章も大好きです。秋の夜長又読み直します。
~~~~~~AARさに-ちゃんト-トバック、昨年のように又「被災地に」今日布を購入して来ました。
お忙しいでしょうが....私も出来る時に出来る事をと思って始めます。
Commented by koro49 at 2012-09-14 22:22
>あら~古稀さん
家庭画報で読まれていたのですね。
高峰さんはチャーチル会に所属していて、梅原さんのモデルというか、描いてくれたみたいですね。
その後、世田谷美術館にも梅原さん他の作品を十数点寄贈してるのですね。
散逸するよりはと思ったのでしょうね。
世田谷には住んでいたことがあったから、と言うのもあったのでしょう。
どんな絵か観たいです。
サニーちゃんトートバック、又始まっているのですね。
出来る時に出来ることを、無理せず出来る範囲で・・・がいいですね^^。
Commented by あら~古稀 at 2012-09-16 01:43 x
koroさん
ゴメンナサイ、今懐かしさに何冊か残してあった「婦人画報」出して!!
わたし「家庭画報」と書いてました(お恥ずかしい)、おまけに先ほど書きなをしたコメントを間違って消してしまいました...ガッカリ★
自分ではかなり気を付けて書いたつもりの記事(2009年104号記念号)「死にかけていた私を抱きかかえるようにして、生き返らせてくれた人」と、「心底他人の傷みが分かる人である。
2010年第21回「始末のいい女性」の記事からも引用させて頂き、
画壇の巨星と大女優の麗しい関係「自画像11点うち7点が梅原龍三郎作、....美しい生き方、「人生で一番大切なものは?」との尋ねに「潔、さですね、生きる上での清潔さ」ときっぱり。
粛々と人生の後始末に向かって歩き続ける見事さ。
見習って行きたいと思いますが...中々難しいですが少しでも近つきたいと思います。
Commented by koro49 at 2012-09-17 21:07
>あら~古稀さん
私もうっかりでした^^;
>潔さですね、生きる上での清潔さ
高峰さんは、その通りに生きた人だと思いますね。
潔い生き方、憧れますが難しい。
煩悩が多すぎるのかも^^;
後始末はね、なるべく早くするのがいいと思っています。
自分の身体が動くうち。
そして心の財産を増やせたら^^。
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