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文字・活字文化振興法

こういう法律が今年の7月に成立し、読書週間の最初の10月27日を「文字・活字文化の日」とすると言うことが決まったことすら全く知らなかったのですが、朝刊のコラムで柳田邦男さんがこの事について書かれていました。
読んでいたら頷くことばかりです。
その中で…

なぜ、文字・活字文化が重要なのか…それは表現やコミュニケーションの手段が、テレビやゲーム、パソコン、コミックなどの映像・画像に依存する傾向が強まっているからにほかならない。それらは情景や状況を説明抜きでリアルに伝えてくれる。言葉ではわかりにくい問題や実感できない問題をだれにでも<そういうことか>と納得させる力がある。
しかし、映像・画像による情報は感情に訴える力は強いが、問題の背景や文脈や本質を考える思考力を育てる力は弱い。考える力を阻害さえする
9/11の米中枢同時テロ事件の時のツインタワーが炎上・崩壊させたテレビ映像が何十回も放映されたアメリカの人々は報復感情を燃え上がらせたけど、テロリストを生みだした背景の問題を冷静に考えるゆとりを奪った。映像メディアの負の側面は、子どもや若者の心の発達に重大な影響を与えている。一方、親が子どもにテレビを選択的に見るルール を決め、代わりに絵本の読み聞かせを毎日しっかりと行ったり、自然環境の中で一緒に遊んでやる のを心掛けたりしていると、子供ははやくから言語力(自分の気持ちをはっきり言ったり文脈を理解したりする力)を発達させ、情緒的に豊かな感情を持つようになる。
問題は、親の子に対する向き合い方と現代の情報環境にある。
子どもたちがテレビ、ゲームなどのバーチャルな情報メディアに浸りきっている状況を突き崩し、親に子どもとの生身の接触を回復させるために、絵本の読み聞かせや、子どもの読書活動を飛躍的充実させる必要がある。
文字・活字文化振興法を実体のあるものにする。これは この国の未来にかかわる国家的な重要政策課題として位置づけるべきだ。

と述べられています。
まったくその通りだと思いました。テレビもパソコンも携帯もコミックもゲームも全て否定するものではありません。今の時代、生活の一部となっているのは確かですし、私もその恩恵を一部受けています。
ただ、その情報環境を自分自身でコントロールしなければいけないと思うし、コントロール出来ない小さな子どもであれば、親がそれを出来るように導いていくようでなければいけないと思うのです。
誤解があったらごめんなさい。映像メディアも否定する気持ちはありません。映像で受けたものもキチンと自分で咀嚼して、自分のものとして吸収できるようでなければいけないと思うのです。もちろん他のメディアの場合でも。

それにしても、柳田さんがこの文の最後に書いてあるように国家的な重要政策課題として位置づけてくれる政治家は何人いるのでしょうか?
それこそ、暗澹たる気持ちになりました。
目先の集票の事ばかり考えている人たちばかりだとしたら…この国の未来は何処へ???






12日、鴨川沿いを散歩したときの疎水の水面です。
お天気が良くて、鴨川は野鳥やサギ(だと思うのですが?)が遊んでいました。
でも、何故かこの水面を撮っていました。
文字・活字文化振興法_c0024861_2182189.jpg
落ち葉たちと水の流れ…じっと見ていました。
by koro49 | 2005-11-18 21:09 | | Comments(14)
Commented by nakky85 at 2005-11-18 21:43
へ~、そんな事態に陥ってるんですね。
ワタクシはコドモの頃・・・っていか高校生くらいまではたくさん本読みました。親がテレビ見せてくれなくて・・・

色々小難しい言い回しとか小説で覚えたかも知れません。
国語は嫌いだったんですけどねぇ・・・でも社会人になってから「言葉のオモシロさ」を色々と知りましたです。追求もしましたです。
反対語って知ってます?
Commented by koro49 at 2005-11-18 21:48
>nakkyさん
私もそんな本を読むほうではないけど、本の大切さはこの頃特に思います。本はやはり心も耕してくれますよね!
小さな子ども達には特に絵本をドンドン読んであげて、読ませてあげたい。図書館のそんな予算を削るようになれば悲しいものですよね…

反対語、nakkyさんには敵いそうもありません!
Commented by indigo_s16 at 2005-11-18 23:33
本で面白くて、映画化されたもので本より面白いと思った物はいまだかつて一つもありません。
やはり、文字から頭の中で想像する。その広がりというのは文字でこそ表現出来るのでしょうね。
Commented by ikkoman at 2005-11-18 23:47
>映像・画像による情報は感情に訴える力は強いが、問題の背景や文脈や本質を考える思考力を育てる力は弱い。考える力を阻害さえする
・・・こともあるでしょうね。確かに。
でも、活字にも同じ側面があるような気もします。
要は本物を見抜く目、心なんですかねえ。
koroさんのご指摘通りっす。
子どもを導く親の役割も大きいでしょうね。

koroさんが見たのはサギじゃなくてツル。だはは。
Commented by koro49 at 2005-11-19 00:13
>indigoさん
本を映画化するって、長くて3時間の間で表現するとなると、脚本云々の問題じゃなく、無理が出そうですよね。
でも、それを超えても撮ろうとするプロデューサー、監督の気持ちも解らないわけではないような気がします。
はしょる所ははしょって、広げるところは広げて表現する、それを指揮する醍醐味が監督なのでしょうか?
Commented by koro49 at 2005-11-19 00:19
>ikkomanさん
>活字にも同じ側面があるような気もします。
ああ、確かにそうですね!
やはり、遠近両用の眼鏡で物を見るようにしないといけないのですね!私の場合はふたつの眼鏡を、かけたり外したりしてるから、気をつけないといけないですね。
本物を見抜く目、本質を捉える眼力が必要なんですよね。
それが問題だ!
そう、この時代、やはり小さい子を導く大人の役割は大きいですよね!

あはは!実は私一瞬「あっ、白鳥!」と言って娘に思いっきり馬鹿にされました^^;
Commented by vanillaleaf at 2005-11-19 01:25
私の長男な名前は毅瞭と言います毅はつよい、力が強いではなく、
自分の決めた事を貫きとおす心の強さ、瞭は真実を見抜く、本当の目、明らかにする力、自分の目で真実を見極め、正しい事を貫き通せる強い男になって欲しいと付けました。
真実を見極める目、これを養うには、創造力が大切です。
与えれられたルールで遊ぶゲームや見たままで感じる映像ではなく、創造して遊ぶ、本を読み空想する、色んなイマジネーションと美観を磨いて、真実を見極める目を育てないと、それは子供だけでなく、私たちも!色んな刺激に満足させられ、ぼかされている。
平和な日本にいるからこそ危機感を持たなければ!
世界に恐怖をのアメリカの方棒を担いでいる国民デス。
二条付近の疎水かな、綺麗です目のやりどころがさすが頃ママさま。
Commented by africaespa at 2005-11-19 08:08
思わず本日の文章の漢字率の高さにドキッとしましたが、柳田先生の文章でしたか・・・。
これはまさしく本当だと思います。
スペインでも今やテレビもゲームも親の制限なしに氾濫してます。
なので、幼稚園にして、葉っぱやありんこに興味を持たず、走り回って戦ってる子が多いこと。ものを創り出すことを考えず、プラスティックのおもちゃばかりを欲しがる子どもの多いこと。
絵本の読み聞かせ、大切ですね。
スペインでは今やっと政府のCMで、「親が読まねば、子は読みません」って読書推奨キャンペーンやってます。
日本人の読書率からすると、驚くほどこっちの人は本を読まないのです。
みんな、もうちょっと子育てを真面目に考えてほしいです~。
Commented by at 2005-11-19 10:36 x
Koroママさんのおっしゃりたいこと、皆さんのコメント、いちいちうなづいています。
漢字読めない人が増えてびっくりです。活字離れが進んだら、行間を読み取る力も失われそう。真実を見極める目を養いたいものです。

スペインに本屋さんが少ないとは聞いています。
今向こうの孫に絵本とぬいぐるみを送ろうとしているところです。
私は『素顔のアジア』を読み進んでいます。『東京タワー・・・』図書館に頼んで500人待ちしてます。いつになるやら。
Commented by koro49 at 2005-11-19 16:04
>テッチャン
>力が強いではなく、自分の決めた事を貫きとおす心の強さ、
>瞭は真実を見抜く、本当の目、明らかにする力、自分の目で真実を見極め、正しい事を貫き通せる強い男
素晴らしい父の思いですね!
子育ては卒業したはずの私、でも、やり残したことが沢山あるのです。だから、孫だけなく、他の小さな子ども達へも目を注いでやりたいと思うのです。
今の時代、親だけでは行き届かない所もあると思います。それを周りの大人がフォローしていくべきかなと…
皆自分の子供だと思えばいいんですよね。

そうです。澱むことのない水の流れをじっと見ていました♪
Commented by koro49 at 2005-11-19 16:11
>africaさん
そうです。柳田さんの文章です。小説に重いものもあるのですが、惹かれる方です。
全部は書ききれなかったのですが、ご自身がここ数年間に全国80ヶ所くらいに出かけ、子どもの読書推進や絵本の読み聞かせ活動をしているボランティアグループと交流してきた事を書いていました。財政規模の小さな所でも、長の価値観と情熱で子ども達に素晴らしい読書環境を与えている所もあるそうです。ハード面を整えて政治力を強調するより、とても大切なことだと思うのですが。
>「親が読まねば、子は読みません」
こんなCM日本政府でもやって欲しい。
子どもは世界中の宝ですよね!
Commented by koro49 at 2005-11-19 16:14
>hisakoさん
漢字が読めない…大変な事ですよね。
真実を見極める目…それはやはり自分を磨く事なんでしょうね。色んな意味で。

あっ、あの絵本とぬいぐるみ送られんですね♪
喜ばれますね!「東京タワー」そんなに待ってるんでしょうか?
何冊か増やしてくれればいいのに…
Commented by vanillaleaf at 2005-11-20 05:46
>親だけでは行き届かない所もあると思います。それを周りの大人がフォローしていくべきかなと…
そうですよね、地域がその地域の子供達を育てる、見守る。
学童の保護者や、PTAなどを通じて出来る事やっているつもりですがまだまだです。
でも少しずつですが、そう言う気運戻っている様な気がします。
ハリスの風〜♪
Commented by koro49 at 2005-11-20 15:07
>テッチャン
昔はね、どこの何チャンとか、あそこの誰君とか、皆知ってましたもんね。今ね、私が知ってるのは両隣の子どもさんだけです。
地域でね、子ども達を見守る事っていいことですよね。
それが少しづつ広がって行けば。
>ハリスの風~♪
頑張れ~~~!
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