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暗幕のゲルニカ(日)

先月借りても全く読めず、再度借りなおして読んだ本。
原田マハさんの『暗幕のゲルニカ』。
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あの有名なピカソの『ゲルニカ』制作を挟んだ前後の9年間ほどと、当時の愛人(ミューズ)だったドラ・マール、二人を守り支えたパルド・イグナシオ、当時の世界情勢。

NY近代美術館のキュレーターで『ピカソの戦争展』を企画し、『ゲルニカ』を借り出すことに奔走する八神瑤子。
その間には2001.9.11の世界貿易センターでのテロ攻撃で夫と突然の別れになったこと。
その夫がエンゲージの代わりとして贈ってくれたピカソのドローイングの『鳩』
瑤子がテロリストに拉致された時、違う『鳩』が登場し、それは瑤子を助けることになる。
ピカソは鳩が好きだったというが、鳩は平和を希求する作者の気持ちを表すように何度も登場する。

上のふたつ、過去(70年ほど前)と現代が交互に書かれ、どこからがフィクションなのかは私には分からず。
それでも作者の今これを書かなければの気持ちは伝わった。

本を開くとタイトルの後のページに

芸術は、飾りではない。敵に立ち向かうための武器なのだ。

               -パブロ・ピカソ

の言葉。

瑤子が『ピカソの戦争』を銘打った展覧会を開催したいと最初に理事会で訴えた時の言葉。

テロで傷ついたニューヨーク市民のために、また、戦争に巻き込まれてしまった罪なき人々のために、いったいアートは何ができるのかーその思いはピカソが生涯を通じて抱き続けた気持ちと同じではないか。
自分もまたニューヨークに生を享けたキュレーターとして、展覧会を通して問いかけ、そして答えたい。-ピカソいわく、芸術は決して飾りではない。それは、戦争やテロリズムや暴力と闘う武器なのだ、と。その言葉を発展的にとらえれば、アートとは、人間が自らの愚かな過ちを自省し、平和への願いを記憶する装置であると言えるのではないか。そして、そのアートを守り、後世の人々に伝えることは、私たちMoMAの使命なのだ。



そこにキュレーターでもある作者の『ゲルニカ』と、アート全般への思いが込められている。
瑤子が生命の危機にさらされながらも、『ゲルニカ』を守ろうとしたこと。
『ゲルニカ』は誰のものでもない、 私たちのもの
 とテロリストに訴えたことと同様に。

『ゲルニカ』をスペインから借り出すことが出来たのかどうかは、最後の最後まで伏せられていて、読後しばらくの脱力感は、いい本に出会った証拠。
二度読んで返本。
原田さん、次は誰を、どの絵を書くのだろう?

原田さんの刊行記念インタビューが載っていました。
もちろん本の中でも国連のゲルニカに暗幕をかけられた事件は、9.11と共に大きなモチーフとして何度も書かれています。

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気付かなかったけど、明け方雨が降ったらしい。
宿根ロベリアのクイーン・ビクトリアが二輪だけ咲いた。
下のシュウメイギクは、先日株分けしたもの。
10センチちょっとで咲いている。
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一気に気温が下がり、窓を少し開けても肌寒い感じ。
台風の進路は分からないらしく、天気予報は雨マーク続き。
動くには丁度いいので、自分で出来る範囲のチョキチョキをこれから。
by koro49 | 2016-08-28 14:13 |
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