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アンソロジー お弁当。

41人のお弁当のエッセイ。
「記憶のなかの」「おんなの」「ふれあう」「おとこの」「だれかを思う」「おにぎり・おむすび」「移動する」の後に「お弁当」が続き、そのカテゴリーに分類されていたお弁当のお話。
年代、時代、職業色々の方たちのお弁当の思い出は楽しかった。
アンソロジー お弁当。_c0024861_14213472.jpg
池辺良さんの「敗戦は日の丸弁当にあり」は、洋画家だったお父さんが日の丸弁当を作ってくれた話が軽妙な筆致で書かれているけど、特にお父さんの描写が落語の登場人物のようで楽しかった。
中には読んだエッセイもあったけど、ほとんどは初めて。

あぁ、と感じ入ったのは「おんなの弁当」の中の木内昇さんの『弁当三十六景』

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 たぶん、彩り美しい弁当は山とあったろう。しかし記憶に残るのは、その家のにおいがにじみ出たような弁当ばかりだ。家庭にはそれぞれ、流儀や価値観、習慣がある。人の数だけ暮らし方はあって、その内実は経済状態や住環境、家族構成といった表面的なことのみで計れるものではないのだろう。なにせ暮らしというものは、誰もが営んでいる身近なものであるにもかかわらず、これぞ正解という形がなく、プロもいない。そもそも甲乙をつけられるものですらないのだ。どの家庭にも必ず華があり、よろこび苦しみがあり、問題があり、喪失がある。だから、体裁を飾ることや、よそと比べてどっちがどうだということにはあまり意味がない。家庭は本来、自分たちなりの形をゼロから紡げる、これ以上ない創造的な現場なのだと思う。
 理想の家庭、なんて幻想である。人も暮らしもいろいろあるから面白く、また愛おしいのだ。


ですね。

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雨マークは無かったのに、結構な雨が降ったり止んだりで、今日も外仕事中止。
ベランダに干した洗濯物は、無理かもと取り込み。
午前中はテクテク用足しに出る予定を止め、餡作り。
とっておきの白花豆は、昨夜洗って水に浸しておいた。
アンソロジー お弁当。_c0024861_14342639.jpg
少し取り分けて、小さな鍋に煮豆。
二人分だから、もう多くは作らなくなり、餡は、小分けして冷凍。

   秋彼岸もうじきだねと餡を漉す白花豆はほっこりの白   頃子

もう降らないかな?
用心のため、傘を持ってテクテク用足し。
by koro49 | 2014-09-18 14:38 | | Comments(14)
Commented by kuukau at 2014-09-18 17:27
お弁当だけじゃなく、全てにおいて言えるね。
正解はないし、100人いたら100通りの生き方があり、好みが違う。渾然一体となって社会は形成されている。だから面白いし楽しい。
Commented by 悠々 at 2014-09-18 19:46 x
味わい深いエッセイですね。
写真のお弁当を見て、むかーし、母が父に作っていたお弁当を思い出しました。こんなに豪華(?)ではないのですが、しゃけと梅干しとご飯と。ほとんどがご飯でした。
頭を使う仕事だった明治生まれの父は、日曜になるとそのドカ弁と森永キャラメル1箱を持って、手漕ぎの小さなボートに乗り、終日瀬戸内海で釣り糸を垂れていました。
家庭のおべんとうには、思い出と歴史が詰まっていますね。
Commented by koro49 at 2014-09-18 20:01
>空ちゃん
だね♪
100人いたら、100の正しさがある。
夜景のきらめきのひとつひとつに、それぞれの家庭の営みがあり、その中での諸々がある。
人生色々男も色々、おんなだって色々~♪(^◇^)

で、子供はねんねの時間(;^ω^)
おやすみ~Zzzz
Commented by koro49 at 2014-09-18 20:02
>悠々さん
ドカベンと森永のキャラメル。
そして無心に釣り糸を垂れる日曜。
お父さんの至福タイムだったでしょうね♪
Commented by Hana3131H at 2014-09-18 20:36
理想の暮らし、家庭、夫婦、親子。。。。そんな「理想」はないのに
得てして他のものが良く見える心の弱さはありますね。でも齢を重ねつつ、身体の衰えは残念ですが、心はそんなものに振り回されるなんて
嫌だぁ~と思えるようになりつつあります。なったと断言できないところ
が、発展途上人ですから(笑)

う~ん。。。餡子がおいしそう。色々koroさんのアイデアが楽しみ♪
寒いのは嫌だけれど、ほっこりタイムを楽しもう。それにしてもそちらは
10℃を切ったね、風邪ひかないでね。
Commented by hanamomo06 at 2014-09-18 22:00
おばんです。
koroちゃんこのごろよく歩いていて感心!
片道30分はすごい運動だ!

なかなかいい本だったでしょう。
年代もすごく開きがあって!
宇野千代さんの急須も持っていくところでは思わず笑った。
いろんな人がいますよね。

そうそう池辺良さん、母の大好きな俳優さんだったそう。
日の丸弁当の話し よかったね~。

たまには弁当作る時の気持ちをブログで書いてみようかな~。
Commented by akane at 2014-09-19 09:54 x
昔で田舎育ち(10歳まで)だった私は母が父の弁当を作って
いるところを見ているのが好きでした。
炊きあがったご飯を上だけかき分けるようにして弁当箱に入れ
てました。上の麦を入れないようにしてたのですね。^^
おかずの中身までも鮮明に覚えてます。
ご飯は勿論日の丸弁当・・おかずは塩鯨(知らないよね)
粉入り玉子焼き(増える粉があったみたい??)
昨夜の煮しめ(煮物)でした。あぁ~~匂いまでしてきた^^

>白花豆はほっこりの白
 ↑ 私の大好きな豆私もこれからいつでも作れるように
買っておこう!
Commented by Petitpois at 2014-09-19 12:13 x
こんにちは。
こちらの記事を読んで、すぐにAmaxxxに注文してしまいました。
老母へのプレゼントにしようと思います。いつも素敵な本を紹介してくださってありがとうございます。
Commented by koro49 at 2014-09-19 16:57
>hanaさん
断言出来るまで、私もま~だまだ修業が足りません^^;
でも、年を重ねての良さは多く感ずることあり。
体が不自由に醜くなって行っても、心を自由にする術と習得しながら歩むのだ^^。

餡子は取り敢えず彼岸のおはぎ。
後はやはり何ちゃって和菓子だね^^。
近くならお茶タイムできるのにね♪
そうだ、灰探ししないとね。
最近車に乗ってないから、ちょっと不自由^^;
Commented by koro49 at 2014-09-19 16:59
>akaneさん
私も小さいとき、父の弁当を届けたことがあった。
塩クジラはもちろん知ってる。
こちらではクジラ汁ってあって、それに入れるの。
山菜色々とか焼き豆腐とか入れてね。
それをお弁当に・・・どうやって入れるのかな?

煮豆にしてしまってから、甘納豆が食べたいと思った^^;
Commented by koro49 at 2014-09-19 17:04
>momoちゃん
順序間違えたゴメン。
歩いているけど、以前とちょっと違う。
でも、歩かないとね。
転ばないように^^;

うん、いい本紹介してくれてありがとう♪
図書館に丁度あったのもラッキー。
池波正太郎さんの、焼き鳥を焼いてもらって翌日列車内で食べたお弁当の話もいいよ。
東海林さだおさんのは、もちろん笑ったし。

池辺良、母も好きだったような。
私は二枚目は苦手なタイプで^^;

書いてみれば?!
書くことで、ちょっと心の中の風通しが良くなるよ^^。
Commented by koro49 at 2014-09-19 17:06
>petitpoisさん
この本を紹介してくれたのは、↑のmomoちゃん。
楽しい本です。
お母さんにプレゼントされる前に、petitpoisさんが先に読まれたら?!^^
Commented by akane at 2014-09-20 07:22 x
九州では・・・?塩くじらって言ったら、鯨の塩づけ、を焼いて
塩辛いから・・お湯で洗って食べ易く、手でちぎって入れます。
干したらは知ってる・・・・早く言えばするめを焼く要領です。(^^
Commented by koro49 at 2014-09-20 20:14
>akaneさん
ごめんなさい。レス落としてました^^;
焼いてお湯で洗って食べる・・・
初めての調理法(*_*)
でも、食べてみたい♪
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