3日の日曜が返却期限だったのは、オランダ人ジャーナリスト、ヨリス・ライエンダイクさんの『こうして世界は誤解する』だった。
1998年から2003年までの5年間、中東特派員として勤務し、アラブ世界における良質なジャーナリズムという考え方が、明確に矛盾を孕んでいるのに気付くのに時間がかかったこと。 独裁政権下でのニュース報道のあり方と疑問。 複雑な中東情勢の報道は、時には身の危険もあると同時に、ニュース映像の少し離れた所では、普通の日々が積み重ねられている現実、そんな事をふくめてジャーナリストの立場の難しさも書いてあった。 テレビ、新聞報道の前の私たちは、ついつい送られて来たニュースを信じてしまいがちだけど、その裏側には別の真実もあることを伝えている。 それにしても、中東はもとより、世界の国々の場所も分からないところばかり。 買い物に行った帰り、ツ○ヤに寄って世界地図購入。 食卓の私の座る椅子の後ろに貼り付ける。 これを見て、ニュースのたびに報道される国を探そう。 *********************************************************** *********************************************************** *後書きに書いてあったこと抜粋* 個々のジャーナリストがコントロール出来る範囲を超えたところにある要因・・・それでいて報道の内容や方法に影響を与える要因について書いたもの(本の内容を一文で説明するとしたら) ジャーナリストが前進するための方法は、そうした要因を無視したり、隠したり、曖昧にしたりすることをやめて、なんとか報道の中に組み込み疑うことを知らない視聴者や読者が見るもの、読むものをより分かりやすくすること。 言い換えれば、構造の欠点について書いた本であり、個人の欠点について書いた本ではない。・・・・・ 最後にパラドックスについて。 本書は報道界全体に当てはまるのと同じ歪みがある。 この本を書いた時、観点をひとつに絞り、物事を提示するために、多くの事柄を除外し、単純化しなければならなかった。 だから私もまた読者を操作しているのだということを、心に留めておいていただきたい。 避けられないことではあるのだか、私としては正直に言っておく必要があるだろう。 ・・・・ 人はみな、巨人の肩の上の小人のようなものだが、この小人は本書に注意を向けてくれた仲間の小人がちに心から感謝している。 ニュース報道などは一方だけから見ては駄目だと思っていたし、原発事故後の報道に関しては、国、企業、政治家などの見えない圧力の事も考える必要があると思っていた。 中東という私からしたら特殊な地域に思える場所での特派員の立場で書いた本、訳者のひとりの田口(名前忘れました。ごめんなさい)さんは、『正直さと勇気』と、後書きに書いている。 本の中の固有名詞は、当然全て仮名。 「戦争はある」と言う人々と「戦争はない」という人々との間に、戦争がある。 レナード・コーエン「ゼアズ・ア・ウォー」の歌詞より(この曲見つけれませんでした。ご存じの方、お知らせ下されば嬉しいです) 巻頭に引用していた言葉が印象的。 ********************************************************************************************************************** さ、買い物に行ったスーパーで、バジルの苗を一鉢連れ帰ったので、鉢植えにします。 元気のいい苗だったので、車の中もイタリアンの香り。
by koro49
| 2012-06-07 15:21
| 本
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Comments(6)
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saheizi-inokori at 2012-06-07 17:35
私は日本史年表・地図と世界史年表・地図の二冊を脇において本を読むのですが、いつも同じようなところを探しています。
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kuukau at 2012-06-07 23:36
情報操作、薄々は感じていたことだけど、原発報道で確信に変りました。
唯一の良かったこと。
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saheizi-inokori at 2012-06-08 10:23
この本、図書館に予約しました^^。
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koro49 at 2012-06-08 15:38
>saheiziさん
そうですね、年表も必要だと思いながら読むときがあります。 地図はやはり地図帳より一枚の方が把握しやすい。 日本地図も貼りたいけど、スペース無し^^; あまりベタベタ貼るのも疲れるし、二階のトイレの後ろにでもと考え中^^;
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koro49 at 2012-06-08 15:42
>mamaさん
今よりもっと前は、この国に情報操作は??と考えていたけど、やはりと思うようになりました。 この国はかの国とは違うはずと思っていたけど、やっぱりって。 ニュースを受け取る私たちの方も試されているんですね。
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koro49 at 2012-06-08 15:42
>saheiziさん
読了の感想、楽しみにしてます^^。
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