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シズコさん

10月に亡くなられた佐野洋子さんが、自身の家族、そして晩年は認知症になったお母さんとの確執、心の交流をメインに書いた本。
読んでみたいと思っていたら先日のコーヒーと一緒に届く。
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お母さんと佐野さんとの関係は、一般的な母娘とは確かに違う。
でも、呆けてしまった(この表現は私にはちょっときついけど、佐野さんはこう書いている。)お母さんとの晩年の10数年、特に老人ホームに入所したお母さんを時々見舞うようになり、佐野さんが4歳の時のちょっとしたことでお母さんに触れれなくなっていたことが、呆けたことにより触れれるようになったり、一緒に同じベットで寝たこと、子守唄を歌い合ったことなどが、家族の営み、家族それぞれとの思い出の断片の間に少しずつ書いてある。

母と私、私と娘、私たちのことを考えると、結構本音でぶつかり合うこともしたし、母に関しては憎しみを感じたこともある。
でも、それ以上に母は母以外の何者でもない。

昨日はちょっと考え事もあったので、じっくり読んだとは言えないけど、後半に童話の題材になりそうな話が出てきて、ちょっと微笑ましかった。
お母さんを見送ったとき、佐野さんは既にガンが転移して、自分でも助からない命と覚悟していたのだろう。
お母さんの手は痩せて小さくなり、うすい皮だけが骨の上を行ったり来たりする。
その手を見つめながら、生きる事の全てをなしとげて来た手だと書いた佐野さんと同じ気持ちで、私はたった61年の人生か、もう61年の人生か分らないけど、それなりに送った自分の手を見つめることがある。
そして、寝たきりで何の反応もしなくなった母の手を握り、見つめ、ベットの脇で歌を歌ってあげたことも。

静かで、懐かしいそちら側に、私も行く。ありがとう。すぐ行くからね。

と、本は終わっている。素敵なシズコさんを描いたのも佐野さん自身。
下に敷いたのは、私の「シズコさん」の最後の裂き織り
家人に読んでもらってから再読し、転送あり。

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以前荷物の中に一言のメッセージも無いと書いたら、本にムーミンのカードが挟んであった。
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シズコさん_c0024861_1611734.jpgらしいなとひっくり返したら、短いけどメッセージ。
この本を読んでる時の娘の気持ちを考えながら読み、送ってくれた気持ちも考える。
みんないつかは通る道、どんな道かは誰にも分らないもんね。
カードの下には小学校の時の裁縫箱から出てきたメジャー。今私が使ってるよ。多謝♪


シズコさん_c0024861_16141380.jpg
読後はいつも通りぼ~っと、でも昨日は食べてみたかったバームクーヘンが届いたので至福のお茶タイム。
この本を読んでから頂こうと、昨日まで仏前でした。
デパ地下ではいつも並んでいるのを横目で眺めて素通りだったので『T』ありがとう!^^
ご馳走さま♪うめがったよ~♪
by koro49 | 2010-11-11 16:05 |
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